作業を始める前に大切なこと
企業や店舗から依頼を受けたとき、「何を片づければいいですか?」「どこに収納すればいいですか?」と、すぐに作業を始めたくなることがあります。
でも、企業や店舗の現場改善では、作業を始める前に大切なことがあります。
それは、クライアントの話を「聴く」ことです。
クライアントが話していることの中には、現場を改善するためのヒントがたくさんあります。
今回は、私が企業・店舗の現場を見るときに大切にしている「聴くことから始める現場改善」を5つの段階に分けてご紹介します。
1.まずは、クライアントの話を聴く
最初から「ここを片づけましょう」と決めつけないことが大切です。
「何に困っていますか?」
「いつ頃から困っていますか?」
「特に使いにくいと感じる場所はどこですか?」
「作業をしている人は、どんなことで困っていますか?」
など、まずは話を聴きます。
クライアント自身が「困っていること」をすべて整理して話せるとは限りません。
言語化が苦手な方もいらっしゃいます。
話を聴きながら、一つずつ整理していくことも私たちの仕事です。
2.話の中から「困っていること」を整理する
話を聴いていると、
「物が多い」
「収納場所が足りない」
「探すのに時間がかかる」
「スタッフによってやり方が違う」
など、さまざまな話が出てきます。
ここで大切なのは、出てきた言葉をそのまま「問題」と決めないこと。
例えば、
「物が多い」
という話があっても、本当に問題なのは「物の量」ではなく、
「必要な物を探す時間が長い」
「戻す場所が決まっていない」
「在庫が把握できない」
ということかもしれません。
話の内容を整理しながら、「本当に困っていることは何なのか」を考えていきます。
3.現場を見て、本当の課題を見つける
話を聴いたら、実際の現場を見ます。
クライアントから聞いた話と、現場の状態が同じとは限りません。
例えば、
「収納が足りない」
と聞いていても、実際に見てみると、
・収納場所はあるけれど定位置が決まっていない
・使う場所と収納場所が離れている
・誰が見ても戻せる表示になっていない
・そもそも必要な物と不要な物が混在している
ということがあります。
だからこそ、
「何が問題なのか」
だけではなく、
「なぜ、この状態になっているのか」
まで見ていくことが大切です。
4.クライアントと一緒に改善方法を考える
課題が見えてきたら、すぐに「こうしましょう」と決めるのではなく、クライアントと一緒に改善方法を考えます。
現場で働いている人だからこそ分かることもあります。
「この場所に置いたほうが使いやすい」
「ここは忙しい時間には取りに行けない」
「この方法だと新人には分かりにくい」
など、実際に仕事をしている人の意見は、改善するうえでとても重要です。
整理収納アドバイザーが考えた「きれいな収納」ではなく、
「実際に働く人が使いやすく、続けられる環境」
を一緒につくっていきます。
5.改善して終わりではなく、続けられる状態を考える
現場が綺麗になったら、それで終わりではありません。
大切なのは、その状態を続けられるかどうかです。
「誰が見ても戻す場所が分かる」
「新人が入っても分かる」
「忙しくても戻しやすい」
「定期的に確認できる」
そんな仕組みまで考えることで、改善した状態が続きやすくなります。
そして、改善前と改善後を比べて、
「探す時間が短くなった」
「作業しやすくなった」
「スタッフからも使いやすくなったと言われた」
など、変化を確認します。
「聴く」ことは、現場改善のスタート
企業や店舗の仕事では、整理収納の知識だけでなく、
「相手の話を聴く」
「現場を見る」
「課題を見つける」
「一緒に改善方法を考える」
「改善した状態を続けられるようにする」
という視点が必要です。
だから私は、現場に入ったら、まずクライアントの話を聴くことを大切にしています。
話を聴くことで、表面的な「片づけたい」という言葉の奥にある、本当の困りごとが見えてくることがあります。
整理収納アドバイザーの「整える力」に、「聴く力」と「現場を見る力」を加える。
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